7/22(月) 小林 【レビュー】 NLBを活用した「~に走る」の検証

2013年07月23日 00:41

今回の発表は、湯本久美子(2006)「「~に走る」・「~に歩く」のメトニミー構造」で述べられている「~に走る」について、NLB(NINJAL-LWP for BCCWJ)を使って検証するという内容でした。

 

ここで一度、前提情報を示しておきます。

●湯本久美子(2006)「「~に走る」・「~に歩く」のメトニミー構造」で述べられている「~に走る」 とは・・・

①「~に走る」という表現は、緊張の度合いが高くて予想外のことで非日常的なことが生じた際に使われる。

例) 料理をしている最中に醤油がないことに気が付いたので、スーパーまで走った。 

(料理中に醤油がないという緊張度の高い状況+あるつもりで料理を始めたのに醤油がないという予想外+そもそも醤油がないという非日常的状況)

②「~に走る」という表現には、主語の動作そのものではなく、走った先の目的(地)が焦点化されている。また、その際に「走る」という動作が参照点になっている。

例) 料理をしている最中に醤油がないことに気が付いたので、スーパーまで走った。

(スーパーで醤油を買ったこと《目的》は、言語化されなくても明らかである。)

●NLBって何?

以下、NINJAL-LWP for BCCWJ(NLB) (https://nlb.ninjal.ac.jp/) の文章を引用。 

NINJAL-LWP for BCCWJ(以下、NLB)は、国立国語研究所(以下、国語研)が構築した『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(Balanced Corpus of Comtemporary Written Japanese: BCCWJ)を検索するために、国語研とLago言語研究所が共同開発したオンライン検索システムです。

 

さて、実際にNLBを使って「走る」を検索し、その中の「…に走る」について用例を取出したわけですが、私の勉強不足で、「用例としてどうなのこれ」というものまでずるずると取り出してしまいました。結果、議論は用例へのダメ出しがほとんどだったように記憶しています。(正直緊張と疲労でよく覚えていません)挙句の果てに、途中からは「そもそもコーパスって」とかゲストでお越しいただいた方とのお話とかで時間が過ぎていく始末…

非常に反省点の多い発表でした。

 

今回はNLBのみでの検証でしたが、少納言なども軸に取り入れ、さらに周辺的な検証(ほぼ参考程度)としてGoogleなどの一般的な検索エンジンも取り入れると面白いのではないかという意見もいただきました。

 

言語学(今回は認知言語学)での発表は生まれて初めてだったので、今回の反省点を忘れず、次回はより良い発表ができるように頑張りたいと思います。