2017年12月4日、11日発表 小林正拓 【レビュー】梶尾佳以(2015)「若者言葉にみられる言語変化に関する研究」

2017年12月15日 15:03

ブログ更新が遅れてしまい大変申し訳ありません。上記日程で発表した小林です。後期発表について報告させていただきます。一回目発表では「若者言葉」について言及している論文を取り上げました。これを選定した理由について自分は言語変遷に興味があり、その中でも「どう言語が変遷してきたのか」よりも「新たな言葉が創出される際になにか規則はあるのか」という方向性に強く興味を抱いており、新たな言葉が生まれやすい場として若者の話す言葉が挙げられるだろうと考えたためです。

今回の発表では主に「外来語+る」に着目して発表しました。論文については実際に受容された若者言葉の採択とアンケートを作るうえで設定した属性や仮説の作成のための要素という2つを抽出することに用いました。属性については「単語全体の拍数」「ラ行が単語中に存在するか」「ラ行が存在する場合のラ行の位置」の3つであり、これらの属性に基づいて10通りの属性組み合わせを作成しました。それぞれの組み合わせについて3単語の英単語を当てはめ提示し、回答者に「提示単語+る」を作成させる自由記述型のアンケートについて発表で提案しました。そしてフィードバックを受けて新たに、自身が作成した単語が定着するかについて問う五件法のアンケートを提案していただき、この2つを回答してもらいました。

二回目発表では上の2つの調査を学芸大生12人に実施した結果をまとめたものを発表しました。調査の結果得られた回答を「ラ行の位置」「特殊音素および拗音、小さな仮名」「原語の品詞について」の観点から分析し、これらから導き出された法則や回答者に共通する意識をフローチャート形式のモデル案とその他の条件の2つにまとめました。

二回目発表を終えての反省や感想を以下に記します。

今回提出したモデル案について多くの意見や訂正案をフロアからいただき、自身の作成したモデル案の未熟さを思い知りました。しかしこれを改善することで得られるだろうものの多さにも気付いたため、今後はこのモデル案の不備や未解明の部分を研究し、より精度の高いモデルを提案できるように努力と研究を重ねる心づもりです。

依然、知識が足りず今回の発表が自己満足に寄りすぎた面があるように思います。そのため、より適切な分析方法を知るために、論文の良し悪しを見極めるために、モデル案をどういう立ち位置に立たせるのかの参考にする通説を知るために、今後は論文を読み漁っていきたいと考えています。先輩方におかれましてはお忙しいと存じますがご指導のほどよろしくお願いします。